転職ガイド

2021.07.12

保育士の転職を徹底解説!失敗する原因や理由、転職成功のためのコツも紹介

給料面や職場環境などの理由から、転職を考えている保育士は少なくありません。

「今よりも給料の高い職場に移りたい」「人間関係が悪く、転職をして新しい環境に行きたい」など理由は人それぞれですが、安易に転職をした結果、失敗してしまう方も多くいらっしゃいます。

そこで今回は、保育士が転職を考える理由や失敗してしまう原因などを事例付きで解説し、転職におけるメリット・デメリット、失敗しないコツなどを徹底的に解説していきます。

1保育士は全国的に不足。売り手市場といえども安易な転職は禁物

2021年現在、日本では保育分野における人材不足が問題となっています。なかでも保育士の数は全国的に足りていません。厚生労働省が発表している「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」によれば、有効求人倍率は2.04倍と、全職種平均の1.04倍に比べてかなり高い水準となっています。

有効求人倍率は「求人数÷求職者数=有効求人倍率」で求められますから、例えば2倍であれば100人の保育士の求人に対して、約50人の求職者が居るということになります。

保育士不足の理由としては、まず保育園に子どもを預けたい家庭の需要が増加している点が挙げられます。昔よりも共働きの家庭が増加しており、かつ核家族化が進んでいることから、保育園の需要が増えているのです。

ニュースなどでよく「待機児童問題」がとりあげられていますが、待機児童とは名前のとおり保育施設に空きがなく、入所待ちをしている状態の児童のことです。待機児童問題は保育施設の不足ももちろんですが、保育士の不足も大きな原因となっています。

また保育士志望の方の減少や、保育士の資格を持っていても保育士として働いていない人が増えているのも理由です。厚生労働省の「保育分野における人材不足の現状」によれば、指定保育士養成施設卒業者のうち、おおよそ半数は保育所に就職していないといった調査結果が出ています。

上記のような理由から保育士は全国的に不足しており、有効求人倍率も高くなっています。ということは、それだけ転職もしやすく、条件の良い職場を選びやすそうなものですが、実際は転職後に後悔してしまう方も多くいるようです。

転職に失敗しないためには、失敗してしまう理由や、それに対しての対処法、上手に転職するコツなどを知っておくことが重要です。それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。

1-1保育士は全国的に不足。売り手市場といえども安易な転職は禁物

2021年現在、日本では保育分野における人材不足が問題となっています。なかでも保育士の数は全国的に足りていません。厚生労働省が発表している「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」によれば、有効求人倍率は2.04倍と、全職種平均の1.04倍に比べてかなり高い水準となっています。

有効求人倍率は「求人数÷求職者数=有効求人倍率」で求められますから、例えば2倍であれば100人の保育士の求人に対して、約50人の求職者が居るということになります。

保育士不足の理由としては、まず保育園に子どもを預けたい家庭の需要が増加している点が挙げられます。昔よりも共働きの家庭が増加しており、かつ核家族化が進んでいることから、保育園の需要が増えているのです。

ニュースなどでよく「待機児童問題」がとりあげられていますが、待機児童とは名前のとおり保育施設に空きがなく、入所待ちをしている状態の児童のことです。待機児童問題は保育施設の不足ももちろんですが、保育士の不足も大きな原因となっています。

また保育士志望の方の減少や、保育士の資格を持っていても保育士として働いていない人が増えているのも理由です。厚生労働省の「保育分野における人材不足の現状」によれば、指定保育士養成施設卒業者のうち、おおよそ半数は保育所に就職していないといった調査結果が出ています。

上記のような理由から保育士は全国的に不足しており、有効求人倍率も高くなっています。ということは、それだけ転職もしやすく、条件の良い職場を選びやすそうなものですが、実際は転職後に後悔してしまう方も多くいるようです。

転職に失敗しないためには、失敗してしまう理由や、それに対しての対処法、上手に転職するコツなどを知っておくことが重要です。それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。

出典:保育士の有効求人倍率の推移(全国)保育分野における人材不足の現状①

1-2給料や待遇面など、保育士が転職や離職を決意する理由とは

当サイトが行ったアンケートによりますと、保育士が転職や離職を決意する理由としては、以下のようなものがありました。

  • ・給料が低すぎる
  • ・業務量が多い
  • ・責任が重い
  • ・就業時間が自分と合わない
  • ・職場の人間関係

ちなみに、厚生労働省が発表している「保育士等に関する関係資料」によると、就業している保育士における現在の職場の改善希望として、割合の多い順に以下の項目が挙げられています。

  • ・給与・賞与等の改善
  • ・職員数の増員
  • ・事務・雑務の軽減
  • ・未消化(有給等)休暇の改善
  • ・勤務シフトの改善
  • ・職員間のコミュニケーション

結果を見てみると、おおむねアンケートと同様となっています。なかでも顕著なのが給料や業務量に関しての問題です。

さらに、厚生労働省の「保育分野における人材不足の現状」によれば、「保育士としての就業を希望しない理由」として、やはり「賃金が希望と合わない」「休暇が少ない・とりにくい」といった意見が多く見られます。

現職・転職、あるいは就業を希望していないといった方も含めて、同じ悩みを抱えていることが伺えます。

次項からは、保育士が転職や離職を決意する理由を深堀りしていきます。

出典:保育分野における人材不足の現状①保育士等に関する関係資料

1-3給料が低すぎる

転職を考えている・考えてないに関わらず、最も言及されているのが「給料の低さ」です。実際、全職種平均と保育士の平均給与額は、以下のような大きな開きがあります。

  • 全職種
  • 男女計:約329万円
  • 男性:約365万円
  • 女性:約255万円
  • 保育士
  • 男女計:約216万円
  • 男性:約239万円
  • 女性:約214万円
出典:保育士等に関する関係資料

全職種平均に比べて、保育士の給料はかなり低いことがわかります。男女計ならば約113万円の開きがありますから、単純計算で月額9万4千円もの差があります。政府や自治体も給与補助などで給料格差を埋めようとしていますが、それでもなかなか届かないのが現状だといえるでしょう。

1-4業務量が多い

保育士の業務は子どもの世話がメインだと思われがちですが、事務作業等にも多くの時間が費やされます。「保育士等に関する関係資料」の「保育士1人1日当たりの主な業務の時間及び業務発生率」によれば、特に保育士の負担になっているのは「会議・記録・報告」であるとされています。

また業務の報告や各種書類などの記入などのシステム化ができていない施設などでは、それら事務作業に取られる時間も自然と増加してしまいます。

1-5責任が重い

小さな子どもを預かることは、それだけで大きなプレッシャーになります。また場合によっては保育士1人で大人数の子どもを担当しなければいけないこともあり、身体と心に負担を抱えてしまう方も珍しくはありません。

他にも、保護者からの指摘やクレームなどで責任を感じてしまう方も多く、その重さに耐えられずに転職を考えたり、離職を決意したりしてしまう人も少なくないでしょう。

1-6就業時間が自分と合わない

保育士が不足している施設の場合、まとまった休みや有給などが取りにくくなるケースがあります。毎日の業務量が多いと残業になってしまうことも多く、それだけ就労時間が長くなってしまいます。

基本的にシフト制で週休2日の施設が多いものの、上記の理由からさらに不規則になってしまったり、残業があったりする点でストレスを感じてしまう方も多いようです。

1-7職場の人間関係

職場の人間関係もまた、保育士が転職や離職を決意する理由のひとつです。上司や部下との関係が上手く行かなかったり、男性の保育士であれば男女比の違いから居心地の悪さをおぼえてしまったりしてしまうこともあるようです。

人間関係に関する問題は保育士だけでなくどの職場でも起こりえますが、それだけに悩んでいる人も多いのでしょう。

2リサーチ不足や先入観が原因。保育士が転職を失敗してしまう理由とは

保育士が転職を決める理由としては、前述したとおり給料が低すぎる、業務量が多い、責任が重い、就業時間が自分と合わない、職場の人間関係などが挙げられます。

今の職場に不満が溜まると、どうしても転職に意識が向いてしまいがちですが、これらの理由で単純に転職を決めてしまうのはやや早計です。もちろん、転職して給料や職場環境が改善されることもありますが、転職前と変わらなかった、もっと悪くなってしまったといったケースもあります。

そうならないためにも、以下で保育士が転職を失敗してしまったモデルケースを紹介していきます。

2-1求人情報欄に載っている表面的な条件だけで決めてしまう

保育士の求人情報欄を見ていると、「今よりも条件が良さそうだ」と思ってしまいがちですが、情報欄の記載だけを頼りに転職をしてしまうと、後々後悔してしまうケースが多くあります。

例えば、転職理由の1位である給料面だけをとっても、表記の仕方は施設によって多岐に渡ります。額面はインパクトがある数字だとしても、各種手当が含まれた金額である場合もあります。逆に考えるならば、額面では少なくとも、手当などを入れると現在の給料よりも高くなるといったケースもあるのです。

また就業時間などにも注意が必要です。例えば「完全週休2日」であれば1週間のうち、必ず休みが2日ありますが「週休2日」ですと、1ヶ月のなかで最低1回は2回休める週があるということです。このあたりの言葉の定義もしっかりと押さえておかないと、転職した後に「こんなはずではなかった」と悔やんでしまう可能性があります。

いずれにせよ、単純な数字や言葉だけでなく、その裏にある「内容」を理解して求人情報を吟味するのが転職に失敗しないコツです。

2-2自分が作り出した先入観で転職先を決めてしまう

先入観とは恐ろしいもので、とくに現在の職場に不満を持っていると、つい隣の芝生が青く見えてしまい、勝手なイメージが膨らんでいってしまいます。過度な期待や先入観を抱いてしまうと、転職後に後悔してしまうことも少なくありません。

例えば、「歴史と伝統のある有名な保育園なら、福利厚生や各種サポートなども充実しているだろう」と考えたとしましょう。この場合「歴史と伝統がある=福利厚生が充実」は必ずしもイコールにはなりません。歴史と伝統があるからこそ、旧態然とした施設である可能性も考えられずはずです。

そのため、転職を検討する際には自分が作り出したイメージや先入観をできるだけ取り除くことが必要です。転職にあたって希望や条件を付けるのは問題ありませんが、一度冷静になって客観的に考えることが重要なのです。

2-3転職先を決める前に退職してしまった

一度転職を決意してしまうと、「早く辞めたい」という気持ちが強くなり、勢いで退職してしまう方もいらっしゃいますが、転職先を決める前に退職してしまうのはおすすめできません。

なぜかというと、退職すると収入がなくなってしまいますから、ゆっくりと構えた転職活動ができなくなるからです。貯金などを切り崩していくなかで転職活動をするのはかなりのプレッシャーになるため、正常な判断がしにくくなるといった理由もあります。

そのような状態で焦って転職を決めてしまうと、結局前の職場と同程度の待遇であったり、場合によってはもっと悪くなってしまうケースもあります。

もちろん「今辞めなければメンタル面で支障がある」などといった場合は一次避難的に退職をし、転職を検討するのもひとつの手です。心や身体を壊してしまえば、それだけ再就職にも時間がかかってしまいます。

また数ヶ月〜半年くらいは収入がなくとも生活に問題がないといった方は、先に退職してしまうのも悪くない選択でしょう。スキルやキャリアがあり、引く手数多であるといった方も同様です。

いずれも自分の状況に合わせて決めるのがベターですが、先入観と同様に、一度立ち止まって考えてみるとよいでしょう。

2-4条件面だけで決めてしまう

条件面は非常に重要な項目ですが、「高給料・高待遇」だけで決めてしまうと転職に失敗してしまう可能性があります。

例えば、施設の方針や雰囲気などは求人情報や面接などでは掴みきれません。施設の方針や雰囲気が自分の考えや理想と異なると、大きなストレスを抱えてしまうことでしょう。

そのため、転職の際には求人情報に記載されている内容だけでなく、実際に施設を見学してみることも重要です。

2-5転職回数が多いとマイナスになることも

短期間に転職を繰り返していると、マイナスとして捉えられてしまうケースがあります。

それが例え正当な理由であったとしても、書類審査などの初期段階で「またすぐに辞めてしまうのではないか」「これだけ転職をしているということは、何らかの(悪い)理由があるのだろう」と勘ぐられかねません。

「面談で会って話せば理解してもらえる」と思っていても、書類審査で落とされてしまえばそれも叶いません。その結果、転職活動の期間が長引くことも考えられます。転職は安易に繰り返すのではなく、キャリアアップや環境改善などといった目標を明確にもって計画的に行うのがおすすめです。そうすれば、職務経歴も自ずと洗練されていくことでしょう。

3「こんなはずじゃなかった」と、保育士が転職を失敗した事例を解説

保育士が転職を失敗してしまう理由をふまえたうえで、ここからは当サイトが行ったアンケートをもとに、保育士の方の転職失敗事例を紹介していきます。

プライバシー保護のために一部加筆・修正を加えていますが、転職に失敗したケースのなかでも特に多く寄せられたものをピックアップしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

3-1残業は少ないけれども持ち帰りの仕事が多く、業務量は少なくならなかった

勤務していた保育園の残業時間が長く、改善するために残業が少なめの施設に転職したものの、持ち帰りの仕事がかなり発生してしまい、結果として業務量は少なくならなかったといったケースは非常に多くあります。

求人情報に「残業なし」と記載されていたとしても、持ち帰りの仕事があればそれは残業と同じです。

持ち帰りの仕事は求人情報だけでは把握できませんので、例え残業時間が無い(あるいは短い)と謳われていても、面接などの段階で持ち帰り仕事が発生するのかどうかは必ず確認しておくとよいでしょう。

3-2転職前に提示された条件が、実情と大きく違う

求人情報や面談などで転職前に提示された条件が、実情と大きくかけ離れていたというケースもよく見聞きします。

例えば、キャリアが物足りないからとモデルケースの給与より大幅に減額されてしまったり、休日出勤はないと聞いていたのに出勤を要求されたりなど「話が違う」と後悔されている方も多いようです。

これらは主に施設側の説明不足が原因ですが、転職する側も情報を吟味できていない可能性が考えられます。また転職支援サービスなどを使わず、個人で転職先を探した人に多い兆候です。転職にもテクニックが必要ですから、確実に今よりも待遇が良い転職先を見つける自信がある方以外は、転職の「プロ」がサポートしてくれる就職支援サービスを利用するのがおすすめです。

3-3賃金や待遇は良いけれど、人間関係が良くなくストレスを感じてしまった

先ほど「高給料・高待遇だけで決めてしまうと転職に失敗してしまう」と解説したとおり、職場は給料・待遇面の他にも「人間関係」を重視しなければいけません。

転職先に居る保育士との人間関係が上手く築けず、再び転職活動をはじめるといった方も少なくありません。保育士同士の関係が上手くいかなければ、子どもや保護者、園全体に悪影響が出ないとも限らないのです。そうなってしまうと、自分と相手だけの問題ではなくなってしまいます。

また転職したての頃は、なかなか言いたいことも言えなかったり、相談する相手も見つかりにくかったりするものです。「実際に働いてみないとわからない」のは仕方がありませんが、転職前にはできるだけ見学をする、施設の雰囲気を捉えておくなどすれば、ある程度はリスクを軽減することができるでしょう。

3-4施設の経営理念や方針が自分とあっていない

「賃金や待遇は良いけれど、人間関係が良くなくストレスを感じてしまった」の項目と似ていますが、転職後に「施設全体における経営理念や方針が合っていない」と感じる人も少なくないようです。

保育士の方は、多かれ少なかれ保育理念や保育観を持っていることでしょう。それが施設の方針と大きく乖離していると、ミスマッチとなってしまいます。

人間関係も同じですが、こういった「正解のないもの、どちらが正しいというわけではないもの」から生じる方針や認識の違いは、思っている以上にストレスが溜まってしまいます。

そのため求人情報だけでなく、施設のホームページを見たり、面談時にしっかりと経営方針や理念を確認したりしておくのが重要です。

4転職のリスク(デメリット)とメリットを確認

転職を決意する理由や転職に失敗してしまう原因、実際の事例などを確認したうえで、本項目では転職のリスク(デメリット)とメリットを解説していきます。

保育士の転職には、当然ながらメリットもあればデメリットもあります。それぞれどのようなものがあるのか把握しておくと、メリット・デメリットを天秤にかけて転職活動をすることが可能になります。

「転職をすると良いこともある、悪いこともある」ことをしっかりと理解しておけば、上述した先入観やイメージを払拭しやすくなりますので、ぜひ知っておいてください。

4-1退職金の積み上げや有給休暇に注意。転職のリスクを解説

まずは転職のリスク(デメリット)について解説していきます。

転職のリスクには退職金の積み上げができない、入職後しばらくは有給休暇が使えないなどといったものが挙げられます。

退職金の積み上げができないケースがある

退職金制度を有している施設に限りますが、転職してしまうと退職金の積み上げもそこで終了してしまいます。

さらに退職金が支給される条件を満たしていないと、退職金自体が支給されません。例えば「退職金の支給は勤続年数5年以上とする」と規定があれば、5年目まで勤務しなければ退職金は無しとなります。転職を考えている方で、もう少しで退職金の支給条件を満たせる場合は、転職を少し待ってみるのもよいでしょう。

ちなみに、現在の職場と転職先の職場が福祉医療機構の「退職手当共済事業」に加入しており、かつ現在の職場で1年以上勤務していて、退職後3年以内に合算を申請すれば退職金を積み上げていくことができます。

転職後6ヶ月間は有給休暇がとれない

労働基準法第三十九条によれば、「使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えられなければならない。」とされています。

つまり、入社日から6ヶ月間経過し、その間8割以上出勤人には10日間の有給休暇が付与されるのですが、逆にいえば、転職から6ヶ月を超えるまでは有給休暇は取れないということです。

保育士だけでなく、どのような業種でも同様ですが「転職後6ヶ月間は有給休暇がとれない」ことは必ず覚えておきましょう。

出典:労働基準法

どれだけキャリアがあろうと、転職先では「新人」になる

どれだけの経験があろうと、転職先では「新人」であることも忘れてはいけません。自分よりもキャリアの無い職員が先輩になることもありますし、年下の保育士が先輩になるケースもあります。

今までのキャリアを見込まれ、期待された転職した場合でも、新人は新人です。仕事の進め方や思考の仕方、方針などは職場によって異なりますから、今までのやり方を通すだけでは人間関係に悪影響を与えかねません。

保育士になってある程度のキャリアを築くと、どうしても「仕事に対してのプライド」のようなものができてしまいます。プライドを持っているのは悪いことではありませんが、新人としての謙虚さも職場で上手くやっていく重要な要素です。

上記のような人間関係でストレスを感じてしまう可能性があるというのも、転職リスクのひとつであるといえるでしょう。

4-2給与面や待遇の改善が期待できる。転職のメリットを解説

保育士の転職におけるメリットとしては、給料面や待遇の改善、仕事がしやすくなるなどが挙げられます。

とはいえ、いずれの項目も「給料が高くなる(可能性がある)」「休日が増える(こともある)」など、必ずしも良くなるわけではない点に注意が必要です。後述する「転職を成功させるためのコツ」も合わせて参照していただくと、より満足度の高い転職ができる可能性が高まります。

それでは、保育士の転職におけるメリットを解説していきます。

給料が高くなる場合がある

必ずしもそうであるとは言えませんが、転職をすれば給料が高くなる場合があります。保育士の給料は全職種平均に比べて低い水準ですが、他の職種と比べても遜色ない、高めの給料で求人をかけている施設もあります。

そのような施設は質の高い保育士を求めていることが多く、競争も激しいですが、自信がある方は積極的にチャレンジしてみるとよいでしょう。

ちなみに、給料は基本給の他に各種手当やボーナスなどがどの程度ついているかを必ず確認しておきましょう。一見、給料が高そうに見えても上記の手当など込みの金額であるケースもあります。

休日が増えたり、残業時間が減ったりする場合がある

現在勤めている園が週休2日の場合、例えば完全週休2日制の園に転職すれば、それだけ休みが増えることになります。また代休保証などの休日保障がしっかりしているところであれば、さらに時間に余裕が生まれますので、プライベートを充実させることもできます。

また残業や持ち帰り仕事が今よりも少なくなれば、それだけ負担も減りますから、精神的にも肉体的にも楽になることでしょう。

ただ残業や持ち帰り仕事などは、求人情報では詳細が解りにくいケースも多々あります。そのため、転職支援サービスなどで園の内情を訊いてみたり、面接や見学のときなどに確認しておくのがおすすめです。

今よりも保育観や価値観が合う職場で働ける場合がある

当たり前ですが、保育園の保育方針や保育観などは園によってさまざまです。もし自分の保育感に合致した園に転職できれば、仕事のやり甲斐もできますし、モチベーションもアップすることでしょう。

本項目も求人情報では判別しにくいので、転職支援サービスや、面接や見学を活用して確認しておきたいところです。また、園のホームページなどで理念や保育方針、保険教育や食育など、どのようなものが行われているかを確認してみるのがベターです。

経験や保育のスキルがあがり、キャリアアップに繋がることもある

転職回数が多すぎると不利になってしまうと解説しましたが、上手な転職はキャリアアップになります。

新しい職場で働けば、今までとは違った保育の方法や保育感に触れることができますので、それだけで自分の経験値やスキルアップが可能です。例え「このやり方はちょっと違うのではないか」と感じたとしても、それもまた経験です。

転職した園からまた転職したとしても、培った経験とスキルがあれば、さらに条件面で有利な園に転職できる可能性も上がります。

これらは1つの職場でずっと働いていたのでは、なかなか経験できませんので、転職における大きなメリットだといえるでしょう。無論、1つの職場でしっかりと勤め上げるというのも立派な経験・スキルですので誤解なきよう。

5目的や希望をハッキリと。リサーチも重要。転職を成功させるためのコツを解説

ここからは、保育士の転職を成功させるために押さえておきたいコツを解説していきます。

コツには目的や希望をハッキリとさせたり、入念なリサーチをしたりといったことが重要で、併せて、これまで解説した転職に失敗する理由や事例も頭に入れておくのがおすすめです。

なぜ失敗するのかを押さえてから転職のコツを活用すれば、より満足のいく転職ができることでしょう。

5-1「なぜ転職したいのか」「何が希望なのか」を明確にする

保育士だけでなく、あらゆる職種に通用する転職のコツとしては「目的や希望、条件を明確にする」ことが挙げられます。

「なぜ転職したいのか(目的)」「何が希望なのか(希望・条件)」をハッキリさせれば、自然と「転職したい園」も決まります。

例えば「今よりも給料を上げたい(目的)」ならば、具体的に「月給25万円以上(希望・条件)」と設定します。他にも「プライベートを充実させたい(目的)」のなら「完全週休2日・残業週○時間以内・通勤時間30分以内」などとすれば、これだけで条件に合った園をある程度絞り込むことができます。

ただ単純に「転職したい」のではなく、「なぜ転職したいのか」「何が希望なのか」と解像度を上げていくことで、自分に合った転職先が見つかる可能性が上昇します。

ちなみに目的や条件を設定するときには、「あれもこれも」はNGです。「給料が今より高く、休みが多く、通勤時間も短くなり、福利厚生が充実している」といったような職場はほとんどありません。そのため、目的や条件が複数ある場合は優先順位を付けて検討していきましょう。

5-2転職先候補は徹底的にリサーチする

転職の目的や希望、条件を明確にすれば、自ずと転職先は絞られます。ある程度絞った後は、それぞれの施設を深くリサーチし、比較していくと転職での失敗を防ぐことができます。

求人情報は当たり前として、園のホームページは手軽に得られる重要な情報源です。その園についてどの程度知っているかは面接時にも重要なポイントですので、しっかりと読み込んでおきましょう。

また園見学が開催されていれば積極的に参加しましょう。求人情報では得られない現場の情報が手に入りますし、実際の保育の様子や施設の設備状況なども把握できます。見学の予約は電話やWebサイトの問い合わせ窓口などから行いますが、この時の対応も大きなヒントになるはずです。

実際の園見学では、児童数に対して十分な保育士がいるか、衛生面や安全管理は問題ないか、保育士の年齢層・男女比率はどうかなどといったポイントを見ていけば、より具体的な評価を下すことができます。同時にミスマッチも起きにくくなりますので、一石二鳥です。

気になる園の情報をひとつずつ収集していくのは面倒ですが、この手間を怠ってはいけません。転職はキャリアのみならず人生の大きな転機ですから、徹底的にリサーチするのがおすすめです。

5-3転職をサポートしてくれる転職支援サービスを利用する

転職の失敗を防ぐためには、転職支援サービスや転職エージェントなどを活用するのも効果的です。

登録や転職までのサポートは無料であるところがほとんどですので、気軽に相談できるのも大きなメリットです。

転職支援サービスを提供している企業は数多くありますが、本サイトもそのひとつです。登録から転職までの流れを簡単に説明しますと、まずWebサイトの登録フォームや電話から登録をします。

登録後には担当のアドバイザーによるヒアリングが行われ、現在の状況や転職にあたり希望する条件などを相談します。この際、転職に関して気になる点などの質問も可能です。

ヒアリング後には、条件にマッチした保育園が提示され、気になる園があれば転職サービス側が面談や職場見学の段取りをします。

その後、転職する側と縁側の条件が折り合えば、内定・採用となります。現在の職場での退職手続き、入職準備などのサポートも行っています。

上記のように、条件面に合った園の提案から園見学、面談などの段取り、内定後のサポートまで一気通貫で行ってくれるため、転職時にかかる負担はかなり軽減できます。

そのため、「日々の業務に追われて転職先を探す時間がない」といった方や、そもそも転職に不安がある人、自分で転職先を見繕って比較し、転職活動をするスキルがない人など、幅広くおすすめできます。

6まとめ

今回は、保育士が転職を考える理由や失敗してしまう原因などを事例付きで解説し、転職におけるメリット・デメリット、失敗しないコツなどを詳しく紹介してきました。

転職を成功させるためには、失敗する理由や原因をしっかりと把握し、メリットやデメリットを天秤にかけたうえで、成功させるためのコツを実践していくことが重要です。

転職を考えている保育士の方は、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。

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