保育業界について
2021.06.17
保育士さんの「自己PR」の書き方
就職活動中に履歴書や職務経歴書、さらに面接で必要になるのが「自己PR」です。履歴書と職務経歴書は、決められた項目に沿って正しく書けば作成できますが、自己PRは自分のことを理解していないと作成できません。とはいえ、実際に「どんなことをアピールして書けばいいのか?」「自分の強みは何か?」と、悩む保育士さんは多いのではないでしょうか。ここでは、自己PRの書き方と押さえておくべきポイントを紹介しています。要点をしっかり理解して、応募先の担当者に響く自己PRを作り上げていきましょう。
- この記事の目次
1自己PRって何なの?
自己PRってよく耳にするけど、簡単に自分のことを紹介すればいいだけと、考えている保育士さんも多いのではないでしょうか。自己PRは、自分の良さや自分の能力をアピールするものになります。保育士さんであれば、応募先の保育園で「私は、こんなことができます」といったことを伝えていきます。
2自己PRが求められる理由
応募先の担当者は、大量の応募書類をチェックしています。書類選考を進むにも、採用を決定するにも、「この人良さそう」といった判断があります。その判断ポイントの一つになるのが「自己PR」と言っても過言ではないでしょう。なので、就職活動する上で重要な項目になりますので、どれだけ大切なのか理解していきましょう。
3自己PRに必要な準備
「自己PRを作成しよう!」と思ってはじめても、急に考えられるほど甘くないのが自己PRです。まずは、事前に必要な準備をしておけば、悩まずに自己PRを考えることができます。とはいえ、「まず何をすればいいの?」と、悩む保育士さんも多いと思いますので、ここでは自己PRを作成する前に「事前に準備すべきこと」を紹介していきます。
3-1自己分析をしてみよう
「自身の強みと弱み」を知ることからはじめましょう。簡単なやり方としては、「過去の成功体験」や「失敗体験」から共通する部分を洗い出し、そこから自分の強みと弱みを見つけ出していきましょう。
3-2他己分析をしてみよう
周囲の人に自分のことを聞いてみましょう。友人や知人に「自分ってどういう性格なのか?」と聞くことで、意外な強みだったり、無意識にやっていることにも気づけたりします。ここは、思い切って沢山の方に聞いていきましょう。
3-3希望する園の特徴を知ろう
それぞれの保育園には、園の特徴や雰囲気があります。これらは必ず知っておくべき項目になります。また、自分がどの園に合うのか、自己分析と共にしっかり把握する必要があります。応募先の保育園とのミスマッチを防ぐためにも、自分の志望する保育園の特徴を踏まえ、自分との相性について分析しましょう。
4自己PRでアピールできるポイント
ここでは、実際に自己PRでアピールできるポイントを紹介しています。自身のアピールポイントと照らし合わせながら見ていきましょう。
体力がある
保育士さんで体力がある方は、大きなアピールポイントとになります。大勢の園児を相手にする保育の仕事は、ものすごい体力が必要になります。また保育士さんは、園児を保育するだけではなく、書類作成、行事の準備、保護者の対応など決められた業務を基本一人でやらなければなりません。なので、保育士さんには、体力をつけるためにも自身で体調管理する能力が求められます。
責任感が強い
保育では大切な子どもを預かるという職業上、責任感が求められます。そのため、責任感が強いことは大きなアピールポイントの一つになるでしょう。例としては、自分が受け持ったクラスのエピソードから、クラスを取りまとめた責任や管理などはアピールできるポイントになります。
コミュニケーション能力が高い
保育士さんのコミュニケーション能力の高さは、園児と関わるのはもちろん、保護者対応だけでなく先生同士の連携に欠かせないスキルのひとつです。特に園児は、うまく言葉で伝えることができない子もいますし、そういった子には、適切なコミュニケーションを取ることで信頼関係を築くことができます。なので、園児、保護者、先生同士といった、関わる人達に上手に対応できる保育士さんは、保育園から求めれる人材といってもいいでしょう。
視野が広く、柔軟に対応できる
保育園では、保育士が一度に複数の園児達を同時に見ているので、それぞれが何をしているか、広い視野で把握し、問題があれば柔軟に対応できる能力も重要視されます。 視野の広さや柔軟性は、過去の経験やエピソードを土台にして伝えると、アピールしやすくなります。
ポジティブ思考
保育士さんは、園児たちから常に明るく、なんでも頼れる先生と思われています。園児達に少しでも無表情だったり、冷たく接してしまうだけで、ストレスを与えてしまうこともあるでしょう。保育の仕事をする上で、悩んで落ち込んだりすることもあると思いますが、すぐに気持ちを切り替えられる人材が必要になります。なので、辛いことがあっても前向きな姿勢で保育業務に取り組めることをアピールしていきましょう。
ピアノが得意
保育士さんがピアノを得意としていれば、大きなアピールポイントです。保育園では、ピアノの伴奏に合わせてみんなで歌う場面が多く、そこでピアノを弾ける保育士さんは求められますので、長所の幅を広げるためにもピアノは練習しておくと良いでしょう。
5自己PR例文集
ここでは、経験別で自己PRの作成ポイントと例文を紹介しています。それぞれアピールするときのコツも解説するので、参考にしてみてください。
5-1未経験者の自己PR
他業界からの転職で未経験の方は、保育園での即戦力としてアピールすることは難しいと思う方は多いのではないでしょうか。未経験の場合は、「子供が好きなこと」や「やる気」などをアピールしていき、「この人、園で活躍してくれそう」という可能性を感じられることなども重要なポイントになります。
参考例文
私は保育の実務経験はありませんが、「子供が大好き」です。親戚の子供を預かることが多くあり、親戚から「子供の面倒を見るのが上手だね」と言われています。子供と遊ぶときは、個々の性格や考え方を重視して、その子に合った接し方をするようにしています。保育園では、色んな性格の子供がいると思いますので、親戚の子供から培ったコミュニケーションスキルを最大限に活かすことができると考えています。
<例文で押さえておくべきポイント>
- ①アピールポイント:子供が好き。
- ②エピソード:親戚の子供の面倒を見るのが上手だった。
- ③今後活かせること:親戚の子供を預かった経験から培ったコミュニケーションスキル活かせる。
5-2経験が浅い保育士さんの自己PR
まだ保育士としての経験値が浅く、複数の園を短期間で転々としている方も多いのではないでしょうか。経験値が浅い保育士さんの場合は、前園での成功体験や失敗体験などのエピソードを盛り込むといいでしょう。
参考例文
私は「提案力」があります。以前はマンモス保育園で働いていました。大規模園であるため、園児の数が多く、先生同士の連携や子供達の情報共有ができないことに苦労しました。この問題を解決するために、自ら先生達に声かけをして、話し合いの場を設けました。ここでは、「どうすれば子どもの発達に合った保育ができるか、そのために保育士はどのような動き方をするとよいのか」といった意見を聞くことができました。この話し合いの場を設けたことで、職員が共通の認識や目的を持つことが必要であるこが分かり、定期的に先生同士で相談し合ったり、細かな園児の情報を共有するようになりました。私は、園が抱えている問題を把握し、解決策を積極的に提案していくことで、園全体をサポートしていきたいと考えています。
<例文で押さえておくべきポイント>
- ①アピールポイント:提案力。
- ②エピソード:園児の数が多く、先生同士連携や子供達の情報共ができない問題が発生。
- ③結果どうなったか:職員が共通の認識や目的を持つことが分かった。定期的に先生同士で相談し合ったり、細かな園児の情報を共有するようになった。
- ④今後活かせること:園の問題を把握し、自ら積極的に解決策を提案し、園全体をサポートしていく。
5-3ベテランの保育士さんの自己PR
経験豊富な保育士さんは、園全体をサポーしてくれる人材であることが求められます。マネジメント経験のアピールや経験値を活かしたエピソードを伝えていきましょう。
参考例文
私は前園では8年間、保育士として働いたことがあり、保育経験が豊富です。園児のお迎え時に気になった園児の親御さんに「園児の気になっている点」を伝えるようにしています。この短い時間で保護者とコミュニケーションを取ることで、のちに大きな問題に繋がらないように未然に防ぐように努めています。また、保育の実務経験は長いので、新人の先生や保育経験が浅い先生の相談を受けたり、的確なアドバイスを伝えることができます。私の保育経験で培ったスキルは園全体に貢献できると考えています。
<例文で押さえておくべきポイント>
- ①アピールポイント:保育経験が豊富。
- ②エピソード:保護者とコミュニケーションを図りることで、大きな問題に繋がらないように未然に防ぐ。
- ③今後活かせること:経験別の保育士さんに助言やサポートで活躍できる。
5-4ブランクある場合の自己PR
保育士は結婚や出産を期に退職するひとは多くいます。保育現場から長期間、離れていたらこともあるので、業務上の鈍りや体力的な問題が不安要素にされる場合もあります。ブランクにおける自己PRの作成は、「保育に関わっていたこと」を伝えていきましょう。
参考例文
以前は保育園で働いていましたが、5年前に出産を期に退職しました。自分自身が出産を経験し、子供を育てる中で、子供の大事な成長過程を間近で経験することができました。そして、以前に保育士として働いていたときよりも、子供に対する接し方や知識量が増え、自身の子育て経験から学んだノウハウを活かすことができます。
<例文で押さえておくべきポイント>
- ①アピールポイント:子育て経験者。
- ②エピソード:子供の大事な成長過程を間近で経験。
- ③今後活かせること:子育て経験から学んだノウハウを活かせる。
6自己PRを書く際の注意点
自己PRは、書き方によってはマイナスイメージにつながる恐れがあります。ここでは、自己PRを作成する際の注意点を紹介していますので、参考にしながら確認していきましょう。
複数のアピールポイントやエピソードは書かない
アピールポイントとエピソードは、一つのみで絞るようにしましょう。複数ある場合は、内容がバラバラになってしまい、結局何を伝えたいのか分からなくなります。要点をしっかりまとめる能力も評価ポイントになりますで、読み手のことを考えながら作成しましょう。
悪い自己PRの例
下記の例文の場合は、どれが強みなのか、どんな人なのかイメージしづらく、印象に残らなくなっています。応募先の担当者から強みをしっかり伝えられないといった、マイナスなイメージを持たれてしまう可能性があるので、注意しましょう。
私の強みは、「提案力」です。大規模の保育園では、園児の人数も多いこともあり、先生同士が連携が上手に取れないことが課題でしたが、自ら積極的にコミュニケーションを取ったり、話し合いの場を設けることで、先生達が気軽に話し合える環境作りに努めました。また、私は小学生の頃からピアノを習っているので、「ピアノ演奏」に自信があります。保育現場では、子供たちが好きな歌を弾いたり、歌いやすようにアレンジを加えたりしています。音楽を通して子供の感受性を育てる上で、保育士として貢献できると考えています。
7就職活動中の保育士さんへ
応募先の担当者から採用をもらうには、説得力のある自己PRが必要になります。自己PRでは自分自身の長所を伝えることも大切ですが、成功体験や失敗した経験から学んだことなども伝えると効果的でしょう。また、一度、自己PRを作成すればどの園でも使えるものになりますので、最初の自己PR作成には時間を費やしてもいいでしょう。自己PRを作成する前に「自己分析」をやってみてください。やるだけで、自分を客観的に見ることができ、今まで気づかなかったことを発見することができます。もし、自己PRを作成中に混乱した時は、メモ帳に整理してまとめるとイメージしやすくなるので、是非試してください。